マンションのインターホン交換で工事費用をおさえるIPインターホンS617
更新日:6 日前
設置から年数がたったマンションでは、集合玄関機が更新の時期を迎えています。従来型インターホンの更新では全住戸の室内親機まで交換することも多く、コストや工期の負担から先送りしているケースもあります。そこで注目されているのがIPインターホンです。IPインターホンを室内モニターなしの構成にすれば、住戸まで配線を延ばす必要がなく、工事の範囲をエントランス周辺に絞れます。この記事では、IPインターホンで導入コストをおさえられる理由や、主なメリットについてご紹介します。
◎マンションで使われてきた従来型インターホンの特長
従来型のインターホンは、エントランスの集合玄関機と各住戸の室内親機を専用の配線で結ぶ仕組みです。管理室の親機や電気錠の制御装置も同じ配線でつながり、建物ごとにひとつのシステムとして構成されています。来訪者が集合玄関機で部屋番号を押すと住戸の親機が鳴り、入居者が応答して解錠します。この一連の流れは、機器同士の連動によって成り立っています。呼び出しや解錠の信号は専用配線を通り、映像や音声のやりとりにはアナログ信号を使う方式が主流です。配線と機器が一体で設計されているため、同じメーカーの製品でそろえる必要があり、異なるシリーズを組み合わせることもできません。そのため、生産が終了した機種の集合玄関機だけを別の製品に替えるといった対応も難しく、更新のコストをおさえる手段が限られます。
各住戸の親機は室内の壁に固定されているため、来訪者に応対したり解錠したりするには、親機の前まで行かなければなりません。在宅していても別の部屋にいると呼び出し音に気づかないことがあり、高齢の入居者の場合は、親機まで移動するあいだに来訪者を待たせてしまうこともあります。外出先からは応答できず、来訪者に応対できるのは在宅中だけです。防犯カメラと連携させたり電気錠を追加したりする場合も、新たに配線を引く工事を伴い、そのたびにコストがかかります。設置後に構成を変えることも簡単ではないため、建物の使い方が変わったときに対応しにくくなります。こうした制約から、更新時にはIPインターホンも選択肢に加え、将来の使い方やコストまで見据えて検討することが大切です。
◎従来型インターホンでコストと工期がかさむ背景
従来型のインターホンを更新する場合は、集合玄関機だけでなく、住戸の親機や制御装置もまとめて入れ替えるケースが多くなります。見積もりが膨らむのは、玄関機そのものの価格に加えて、入れ替える機器が増え、作業の範囲も広がるためです。戸数が多い建物ほど、更新にかかるコストは大きくなる傾向があります。住戸の親機は玄関の内側やリビングの壁などに取り付けられているため、交換は入居者の立ち会いのもとで1戸ずつ進めるのが一般的です。留守がちな住戸が多い建物では日程の調整がつきにくく、全住戸の工事を終えるまでに時間がかかります。工事の日程を掲示し、返事のない住戸へ個別に連絡する必要もあるため、こうした対応にかかる管理コストもかさみます。
工事の面では、配線の扱いもコストを大きく左右します。既存の配線をそのまま使える建物もありますが、線の種類や本数、劣化の状態、新しい機器との適合性によっては、引き直しが必要になります。既存の経路を使えない場合は、壁や天井を開けて新たな経路をつくることになり、そのぶんコストと工期も積み上がります。電源方式や既存設備との接続条件によっては、追加の電源工事が必要になり、コストが上乗せされる場合もあります。加えて、更新の時期を先送りしにくい事情も見逃せません。インターホン工業会は、集合住宅用インターホンの更新時期の目安を、設置から約15年としています。補修用の部品については、生産終了から約7年間を保有期間の目安とするメーカーが多く見られます。年数を重ねた設備では、呼び出し音やモニター、オートロックの解錠連動などに不具合が現れやすく、保有期間を過ぎて部品がなくなれば修理そのものができません。
集合玄関機や制御装置などの共用部の機器が止まれば、全住戸の呼び出しやオートロックの運用に影響がでてきます。故障してから更新を検討すると、短い期間で業者を選ぶことになり、IPインターホンを含めた複数の方式や見積もりを比べる時間も確保しにくくなります。分譲マンションでは、工事の内容や管理規約に応じて、理事会での検討や総会での決議も必要です。旧機種の撤去や処分にかかるコストも含めて予算を組む必要があり、合意を得るまでの期間はさらに延びやすくなります。こうした事情から、計画的に更新したいと考えながらも、判断を先送りしている管理組合やオーナーは少なくありません。従来型のコストや工期が課題となるなか、更新の選択肢として検討されているのがIPインターホンです。
◎IPインターホンで導入コストをおさえられる理由
IPインターホンは、従来型のような専用配線ではなく、LANを使って映像と音声をやりとりするシステムです。入居者がIPインターホンの呼び出しにスマートフォンのアプリで応対する構成にすれば、住戸内への配線が不要になり、工事はエントランス周辺が中心です。主な作業は、集合玄関機の取り付け、ネットワーク機器から玄関機までのLAN配線、電気錠との接続などです。共用部にネットワーク環境が整っている建物であれば、既存の設備をいかして工事の範囲を狭められるため、IPインターホンの導入コストと工期をおさえやすくなります。
電源の取り方も、導入コストに関わるポイントです。PoE+に対応したIPインターホンであれば、1本のLANケーブルで通信と給電をまとめられるため、玄関機のために電源を新設するコストを省けます。給電側のネットワーク機器は、IPインターホンが必要とする電力を供給できるものを選ぶ必要があります。
住戸側の設備をどうするかも、全体のコストを左右します。IPインターホンの機種によっては、室内モニターを置くかどうかを住戸ごとに選べます。室内モニターを置かない住戸では、機器や室内での取り付け工事のコストがかからず、作業員が住戸に立ち入ることもありません。一方、室内モニターを置く住戸では、機器の取り付けと、IPインターホンのネットワークへの接続が必要です。スマートフォンを使わない入居者の住戸にだけ室内モニターを置けば、それぞれの事情にあわせながらコストをおさえられます。
IPインターホンへの更新では、既存の設備をどこまで残せるかによってもコストが変わります。IPインターホンの出力を、仕様の合う制御部に接続すれば、まだ使える電気錠や自動ドアを残したまま、集合玄関機だけを新しくできます。エントランスの設備をまるごと入れ替える必要がないため、そのぶんコストもおさえられます。退出ボタンやドアセンサーなどを接続できるIPインターホンを選べば、既存の機器をそのまま使える場合があります。露出と埋込のどちらでも取り付けられる製品なら、開口や寸法が合えば壁を大きく壊さずに設置でき、補修のコストもかかりにくくなります。エントランスに置く機器の数も、工事や維持のコストに関わります。顔認証やカード、暗証番号などの認証を1台にまとめられるIPインターホンであれば、カードリーダーやテンキーを別に設置する工事のコストも省けます。
IPインターホンでおさえられるコストの大きさは、建物の設備や配線の状態によって異なります。IPインターホンの導入前に確認しておきたいのは、アプリ応対用のインターネット回線が共用部まで引き込まれているか、エントランスまでLANケーブルを通せるかという点です。既存のLANがある建物でも、通信の安定性やPoE+給電への対応状況によっては、ネットワーク機器の追加が必要になります。IPインターホンが既存の電気錠や自動ドアの制御部と連動できるか、扉まわりの給電をどうするかは、見積もりの段階で施工業者に確認してもらうとよいでしょう。実際の工事の範囲とコストは、こうした条件を現地で調査したうえで決まります。IPインターホンの導入コストを比べる際は、機器の価格だけでなく、工事の範囲やエントランスの設備をどこまで残せるかもあわせて確認することが大切です。
◎認証からクラウド管理まで対応するIPインターホンの機能
IPインターホンの特長のひとつは、エントランスでの認証方法を複数そろえられる点にあります。顔認証に対応したIPインターホンであれば、入居者は鍵やカードを取り出さずに通れます。生体検知を備えた製品なら、写真や動画をかざしただけでは解錠されません。ICカードや暗証番号、スマートフォンのBluetoothを使えるIPインターホンもあり、入居者は自分に合った方法を選べます。カードをなくした入居者には個別の暗証番号を案内するなど、状況にあわせた運用も可能です。
来訪者への応対をスマートフォンで行える点も、IPインターホンならではの特長です。来訪者が集合玄関機を操作すると、入居者のスマートフォンにIPインターホンから通知が届き、映像で相手を確認しながら通話できます。外出先からでも応答でき、そのまま解錠まで行えるIPインターホンもあります。1つの住戸に複数のスマートフォンを登録できる製品もあり、家族の誰かが応対できるため、来訪者を待たせずにすみます。集合玄関機から管理者用のアプリを呼び出せるIPインターホンなら、管理人が常駐していない時間帯でも、担当者が手元のスマートフォンで応対できます。常駐に頼らない運用にすれば、人件費をはじめとする管理コストの見直しにもつながります。
IPインターホンに登録した入居者の情報は、クラウドの管理画面でまとめて管理できます。入居や退去に伴う登録や削除も遠隔で行えるため、そのたびに発生する事務のコストをおさえられます。解錠の履歴も残り、問い合わせを受けたときに経緯をたどれます。本体のソフトウェアをネットワーク経由でアップデートできるIPインターホンなら、設置したあとも機能を新しい状態に保てます。ただし、IPインターホンの顔認証に使うデータや解錠の履歴は個人情報にあたるため、登録と削除の手順や、履歴を残す期間は管理会社や管理組合で決めておく必要があります。
集合玄関機は屋外や半屋外に設置されることが多いため、IPインターホンを選ぶときは耐環境性能も欠かせない要素です。防塵・防水性能や耐衝撃性能を備えたIPインターホンであれば、屋外に面したエントランスや、風雨が吹き込む通用口にも向いています。動作温度の範囲が広ければ、寒さや暑さの厳しい地域でも動作し、設備を長く安定して使いやすくなります。本体の取り外しを検知して知らせる盗難警報付きのIPインターホンなら、人目の少ない夜間の異常に管理者が気づけます。このほか、出力接点のあるIPインターホンでは、離れた場所の扉もまとめて制御できます。
◎既存設備をいかして導入できるラクサスのIPインターホンS617
ラクサスのIPインターホンS617は、8インチのIPS液晶タッチパネルを搭載した集合玄関機です。カメラは200万画素で水平120度の画角をもち、逆光補正のWDRと自動照明により、逆光や夜間でも来訪者の顔を確認しやすくなります。IPインターホンS617の認証方法は、顔認証、IC・IDカード、暗証番号、Bluetoothから選べます。顔認証には生体検知機能を備え、写真や動画を使ったなりすましを防ぎます。ユーザーと顔データは各20,000件、カードは60,000枚まで登録でき、戸数の多い物件にも対応します。解錠履歴は本体に500件まで残せます。IPインターホンS617の電源はPoE+とDC12Vに対応し、PoE+で給電すれば電源工事にかかるコストをおさえられます。3つの出力リレーにより、エントランスと通用口など複数の電気錠を制御できます。退出ボタンやドアセンサー、火災連動の入力にも対応します。ただし、火災報知設備との連動には、建物側の仕様確認が必要です。管理室に親機を置けば、来訪者がIPインターホンS617から管理人を呼び出すこともできます。IPインターホンS617の筐体はアルミ製で、IP65の防塵・防水性能とIK08の耐衝撃性能、動作温度−40~55℃の屋外向け性能に加え、盗難警報機能を備えています。取り付けは露出と埋込の両方に対応します。室内モニターを設置するかどうかも住戸ごとに選べるため、アプリだけで運用する住戸では、室内工事のコストをかけずにすみます。
◎エントランスにラクサスのIPインターホンS617を導入した事例
ラクサスのIPインターホンS617なら、既存の電気錠や自動ドアをいかしてエントランスを更新できます。室内モニターを置かずにIPインターホンを運用すれば住戸内の工事が不要になり、更新のコストと工期をおさえられます。
⚪︎既存の自動ドアをいかしてIPインターホンS617に更新した賃貸マンション
築30年の賃貸マンションでは、集合玄関機の呼び出しが不安定になり、修理用の部品も手に入りにくくなっていました。そこで、まだ使える自動ドアと電気錠は残し、集合玄関機だけをIPインターホンS617に入れ替えています。コストをおさえるため室内モニターは置かず、来訪者への応対はIPインターホンと連携したスマートフォンに一本化しました。PoE+で給電したため、エントランスの電源工事も必要ありませんでした。工事をエントランス周辺にとどめ、コストと工期をおさえてIPインターホンに更新できた事例です。
⚪︎IPインターホンS617で鍵の管理を見直した入退去の多いマンション
単身者向けの住戸が多いマンションでは、退去のたびにエントランスの鍵を回収し、紛失時には共用部のシリンダーを交換していました。管理会社は集合玄関機の更新にあわせて、エントランスの認証をIPインターホンS617に集約しています。室内モニターはアプリを使わない入居者の住戸だけに置き、ほかの住戸はIPインターホンのアプリで応対する構成です。入居者は顔認証、カード、暗証番号から方法を選べ、退去時はIPインターホンの管理画面で権限を削除するだけですむようになりました。エントランスの鍵の回収やシリンダー交換にかかっていたコストと手間も、IPインターホンS617の導入後はほとんど発生していません。
◎まとめ
集合玄関機の更新は、従来型では交換が全住戸の親機に及びやすく、コストや工期がかさむため先送りされがちです。アプリで応対するIPインターホンなら、住戸内の機器や取り付け作業が不要です。IPインターホンの設置工事はエントランス周辺ですむため、導入コストをおさえられます。ラクサスのIPインターホンS617は、顔認証やカードなどの認証方法に対応し、既存の電気錠をいかしてコストや工期をおさえた導入が可能です。IPインターホンを用いた集合玄関機の更新をご検討の際は、ラクサスまでお気軽にお問い合わせください。
