集合住宅の価値を高めるIPインターホンの後付け導入
- 5月19日
- 読了時間: 11分
集合住宅のエントランスにオートロックを後付けしたいと考えながらも、建物全体の配線工事の規模と費用の大きさから、なかなか導入に踏み切れないケースも多く見られます。既存のインターネット回線を活用して通信するIPインターホンは、建物全体への専用配線工事を必要とせず、短期間・低コストでエントランスのセキュリティ設備を整えられる手段として注目されています。この記事では、集合住宅へのIPインターホン導入の効果や確認のポイントなどについてご紹介します。
◎集合住宅のインターホンが抱える課題
賃貸市場における競争が年々激しくなるなか、オートロックが設置されていない集合住宅は、エントランスのセキュリティ設備が整った近隣の物件と比較されやすく、入居者の獲得において不利な状況に置かれやすくなっています。ファミリー層をはじめ、幅広い入居希望者のあいだではセキュリティ意識が高まっており、集合住宅を選ぶ際に、エントランスの設備水準を重視する傾向は高まっています。オートロックの有無が内見時の評価や入居の意思決定に影響するケースも増えており、設備面での差が空室の長期化につながりやすい状況です。こうした背景から、集合住宅のエントランスにオートロックを後付けしたいと考える集合住宅のオーナーは増えています。しかし、従来型のオートロックシステムを後付けする場合、建物全体の天井や壁面に専用配線を新たに引き回す大規模な工事が必要になります。既存の壁内に配線を通せない場合は、廊下の天井や壁面に沿って配線を露出させる形になることもあり、集合住宅の美観に影響が出ることも少なくありません。入居者が在籍したまま共用部の工事を進めることになるため、工期が長引くほど、入居者への影響も大きくなります。さらに工事規模に比例してコストも膨らむことから、集合住宅のオーナーにとっては現実的な選択肢として踏み切りにくいのが現状です。すでにオートロックが設置されている集合住宅でも、設備の老朽化は避けられない課題です。集合玄関機の耐用年数は一般的に15年が目安とされており、この年数を超えると経年劣化による故障リスクが高まります。オートロック付きの集合住宅では、全住戸のインターホンがひとつのシステムとして連動しているため、1か所の故障がシステム全体の不具合につながりかねません。最悪のケースでは、修理が完了するまでオートドアを開放した状態で運用せざるを得なくなることもあり、入居者への影響は戸建て住宅とは比べ物にならないほど大きくなります。だからこそ耐用年数を意識した計画的な更新が、集合住宅の管理において重要な視点といえます。こうした後付けの壁や老朽化の課題を現実的なコストで乗り越える手段として、近年注目を集めているのがIPインターホンです。IPインターホンは、既存のインターネット回線を活用して、建物全体への専用配線工事が不要で導入できます。
◎後付けで集合住宅の価値を高めるIPインターホンの導入効果
IPインターホンとは、既存のインターネット回線やLAN環境を活用して、来訪者と映像・音声でやりとりするインターホンです。従来型の集合住宅用インターホンは、集合玄関機と各住戸の室内親機を専用配線でつなぐ仕組みであるため、既存の集合住宅に後付けする場合には建物全体への大規模な配線工事が避けられませんでした。一方IPインターホンはネットワークを介して通信するため、建物全体への専用配線工事が不要で、既設のインターネット回線をそのまま活用できる点が従来型との根本的な違いです。集合住宅のエントランス周辺の最小限の工事でIPインターホンの導入が完了するため、短期間かつ低コストでオートロックを設置できます。集合住宅へのIPインターホンの後付けが現実的な選択肢として注目される理由は、この導入のしやすさにあります。セキュリティ強化という観点では、集合住宅へのIPインターホンの導入は、防犯力を大きく引き上げます。高画質なカメラを搭載したIPインターホンをエントランスに設置することで、来訪者の顔や様子を鮮明な映像で確認してから応対できるようになり、不審者に対する抑止効果も期待できます。IPインターホンと電気錠を連動させることで、集合住宅のエントランスのオートロック機能が加わり、部外者が建物内への立ち入りを一次遮断することが可能です。訪問販売や勧誘業者にも映像越しに対応できるため、不審な訪問者を玄関前まで通してしまうリスクを大幅に減らすことができます。またIPインターホンとスマートフォンアプリとの連携により、在宅・不在を問わず柔軟な対応が可能になります。従来型のインターホンは室内の親機のそばにいなければ対応できないため、テレワーク中で別室にこもっている場合や、高齢の入居者が室内の移動に時間がかかる場合など、エントランスからの呼び出し音に気づかなかったり、親機までいくまでに間に合わないケースが生じやすい状況でした。IPインターホンであれば、スマートフォンに来訪通知が届くため、室内のどこにいてもスマホが近くにあれば、手元で映像を確認しながら応対することができます。多様な働き方が広がる現代において、在宅中の利便性を高められる点は、IPインターホンならではの強みといえます。外出中でもIPインターホンであれば、スマートフォンを通じてリアルタイムに来訪者に対応できます。宅配業者がエントランスのIPインターホンで呼び出した際も外出先から応対し、エントランスを解錠して玄関前に置き配を依頼することが可能です。不在票の繰り返しや再配達の手間といった宅配問題は日頃留守の多い集合住宅の入居者が抱えるストレスのひとつですが、IPインターホンの導入によって大きく解消できます。資産価値向上という観点でも、集合住宅へのIPインターホン導入効果は明確です。オートロックが設置されていない集合住宅にIPインターホンを導入することで、物件情報に、オートロック付きやスマートフォン連動で外出先からも応対可能などと明記することができ、入居希望者への訴求力が高まります。近隣の競合物件や新築物件との設備面での差別化を図れるほか、築年数によるイメージのハンデを設備水準で補うことができます。配線工事なしに後付けできるIPインターホンは、大規模な改修工事を必要とせずに集合住宅の市場競争力を高められる費用対効果の高い設備投資といえます。
◎IPインターホン導入時に確認しておきたいこと
IPインターホンを集合住宅のエントランスに後付けする際には、導入前にいくつかの点を確認しておくことで、工事をよりスムーズに進めることができます。まず確認しておきたいのが、建物内の既設のインターネット回線とLAN環境の状態です。IPインターホンはネットワークを介して通信する仕組みのため、安定した通信環境が動作の前提となります。共用部にLAN配線が通っているか、通信速度や回線の安定性に問題がないかをあらかじめ確認しておくことが重要です。次に確認しておきたいのが、電源供給の方式です。IPインターホンの電源供給方法には主に2つの選択肢があります。ひとつはPoEと呼ばれる方式で、LANケーブル1本で通信と電力を同時に供給できる仕組みです。PoE対応の通信機器が既設されている環境であれば、別途電源工事を行うことなくIPインターホンを設置できます。もうひとつは専用電源アダプターを使用する方式で、PoE対応機器がない集合住宅でも導入が可能です。どちらの方式でも建物全体への大がかりな配線工事は不要で、エントランス周辺の工事のみでIPインターホンの設置が完了します。IPインターホン単体ではエントランスの解錠はできないため、集合玄関機として使用するには、電気錠との連動が必要です。導入前に、既存の電気錠や制御盤の方式を確認しておくことが重要です。既存の電気錠がある場合は、IPインターホンとの互換性を、新たに電気錠を導入する場合は、対応機種を事前に確認しておくことで、導入後のトラブルを防ぐことができます。IPインターホンを選ぶ際は、入居者層にあわせた操作性の確認も大切です。誰もが使いやすいエントランスとなるように配慮し、押しやすい機械式ボタン操作、点字表示など、バリアフリーにも対応したIPインターホンの機種を選ぶのが効果的といえます。また設置の際は、車椅子ユーザーでも操作しやすい高さや位置に取り付けることも考慮しておきたいポイントです。外国籍の入居者がいる場合は、多言語対応のIPインターホンの機種の選択が必要となります。集合住宅のエントランスは、建物の構造や立地によって、屋外に近い環境にIPインターホンを設置するケースもあります。長期にわたって安定稼働させるために、防水防塵性能、耐衝撃性能を備えたIPインターホンの機種を選ぶことが重要です。また寒冷地や夏場に気温が上がりやすい地域では、動作温度の範囲もあわせて確認しておく必要があります。IPインターホンと住戸親機やスマートフォンアプリとの連携構成についても、導入前に方針を決めておくことが大切です。全戸に室内親機を設置する構成、入居者のスマートフォンアプリのみで対応する構成、両者を併用する構成など、物件の規模や入居者層にあわせて選択する必要があります。既存設備を最大限にいかしながら段階的に導入を進められる点も、集合住宅へのIPインターホン導入の大きな効果のひとつといえます。
◎バリアフリー設計で集合住宅に後付けできるIPインターホンS215
LAXASのIPインターホンS215は、誰でも使いやすいバリアフリー設計を採用した集合玄関機です。押しやすい機械式ボタンで操作するため、タッチパネルの操作に不慣れな入居者でも迷わず使えます。補聴器ユーザー向けの誘導ループと点字表示にも対応しており、幅広い入居者が安心して利用できるエントランス環境を実現します。17言語表示にも対応しているため、外国籍の入居者がいる集合住宅にも対応できます。IPインターホンS215は露出取付型のため、集合住宅のエントランスへの後付けも大がかりな工事なしに設置可能です。IPインターホンS215は200万画素のカメラを搭載しており、自動LED照明機能により、夜間や暗い環境でも来訪者の顔を鮮明に映し出します。広角レンズでエントランスの広い範囲をカバーできるため、複数の来訪者がいる場合でも状況を把握しやすいのが特徴です。登録件数は最大20,000ユーザー、ICカード60,000枚に対応しており、中規模の集合住宅はもちろん、家族の分も含めた大人数の管理が1台で完結します。認証方式は、ICカード・暗証番号に対応しており、管理カードを使って入居者の認証情報の登録・削除をオーナー側で完結できるため、入退去のたびの運用管理がスムーズです。IPインターホンと電気錠との連動では、解錠のタイミングや時間を細かく設定できるため、集合住宅の運用スタイルにあわせた柔軟な管理が可能です。IPインターホンS215は耐久性にも優れています。IP65の防水防塵性能とIK07の耐衝撃性能を備えており、長期にわたって安定した稼働が期待できます。動作温度は-40℃から+55℃まで対応しているため、寒冷地や夏場の気温が上がりやすい環境でも安心して使用できます。電源はPoEと専用電源アダプターの両方に対応しており、既存のLAN環境を問わずさまざまな集合住宅へのIPインターホンの設置が可能です。

◎集合住宅の価値向上につながるIPインターホンS215の導入事例
LAXASのIPインターホンS215は、建物全体への配線工事なしで集合住宅に後付けできる集合玄関機です。セキュリティ強化から入居者の利便性向上、バリアフリー対応まで、集合住宅のさまざまな課題を解消します。
⚪︎オートロックの後付けにIPインターホンS215を導入
築20年の集合住宅では、オートロックがなくセキュリティ面での不安を感じる入居者が増えていましたが、オートロックの後付けには建物全体への配線工事と高額費用負担がネックとなり導入に踏み切れずにいました。そこで建物全体への配線工事なしで既設のインターネット回線を活用できるIPインターホンS215を導入しました。物件情報にオートロック付きとスマートフォン連動も強みとして明記したことで、内見評価が改善され成約率が向上しました。ICカードや暗証番号による認証情報の登録や削除もオーナー側の管理カードで完結でき、入退去のたびの管理コストの削減にもつながっています。
⚪︎バリアフリー対応の集合住宅にIPインターホンS215を導入
バリアフリー対応の集合住宅では、既存の集合玄関機はタッチパネル式で、手指の不自由な入居者からは操作しにくいという声が上がっていました。高齢者や身体の不自由な入居者が安心して暮らせる環境づくりを進めるオーナーの方針のもと、IPインターホンS215を導入しました。押しやすい機械式ボタンで操作できるシンプルな設計、補聴器ユーザー向けの誘導ループ、点字表示対応というバリアフリー設計が入居者から好評を得ており、入居者満足度の向上が長期入居の促進につながっています。
◎まとめ
建物全体への配線工事なしで導入できるIPインターホンは、集合住宅への後付けの壁を乗り越える手段として有効です。エントランスのセキュリティ強化と入居者の利便性向上を同時に実現するIPインターホンの導入は、集合住宅の価値を高め、長期的に選ばれる物件づくりにつながります。IPインターホンS215は、バリアフリー設計を備えた集合玄関機として、幅広い入居者に対応するエントランス環境を整えます。集合住宅へのIPインターホンの導入をご検討の際は、LAXASまでお問い合わせください。